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「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです

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身体の不調があると、「ストレスが・・・」と話題になりますが、それを裏付ける研究が盛んに行われていますね。

ストレスが負の感情と不眠を誘発
fMRIで脳の反応パターンを解明
〔ニューヨーク〕 新たな研究により脳内のストレスパターンが明らかになった。ペンシルベニア大学(ペンシルベニア州フィラデルフィア)放射線科のJiongjiong Wang博士らは,機能的MRI(fMRI)を用い,高ストレスの暗算課題を行うよう求められたボランティアの脳には特定の血流パターンがあることを明らかにし「心理学的ストレスは負の感情と不眠を誘発する」との所見をProceedings of the National Academy of Sciences, USA(PNAS,2005; 102: 17804-17809)に発表した。

課題終了後も持続するRPFC活性
 行動と生理学的ストレス反応に伴う局所脳活性の研究は「感情,不眠,目標指向行動(goal-directed behavior)に関連する脳領域が右前頭前皮質(RPFC)内に局在していることは,ストレスに対する生物学的,行動学的反応領域の調整において,この領域が中心的な役割を果たすことを示唆している」と締めくくられている。また,心理学的ストレスに伴う腹側RPFCの活性は,ストレス課題が終了しても持続することが判明した。
 Wang博士らは「行動/生理学的状態と神経解剖のマッピングは,RPFCの脳血流量(CBF)の変化とストレス反応の主観的および客観的尺度との関係により裏づけられている。ヒトにおける日常的ストレス体験の神経基質については,これまでほとんどわかっていなかった」と説明している。
 同博士らは,被験者に動作のモニタリングを伴う暗算課題を行わせた。動作のモニタリングでは,被験者にさらに速く計算するように促し,間違えたらやり直しを求めた。暗算課題は,1,000から逆に数えるという低ストレスの課題を行った後,難しい連続減算を行って口答するというものであった。
 また,測定には動脈血スピンラベリング(arterial spin-labeling;ASL)脳血流fMRIを用いた。これはCBFを定量的に測定するための非侵襲的な神経画像法で,各被験者に 4 回のスキャンを行った。
 暗算課題を用いたのは,被験者に軽度~中等度のストレスを体験させるためである。ストレスの存在は,ストレスの自己申告,感情の状態の自己申告,心拍数と唾液中コルチゾル値で確認した。ストレス課題の完全なデータセットが得られた者は23例(うち女性11例)であった。対照とした 7 例(うち女性 4 例)には,23例と同じプロトコルを用いてスキャンを行ったが,課題は全く行わせなかった。したがって,対照 7 例ではMRスキャン自体によるストレスの測定が可能であった。
 同博士らは「腹側RPFCと左島皮質/被殻(LIn/Pu)領域において,ストレス課題により誘発されるCBF変化は,主観的なストレスの評価(自己申告)と正の相関があった」と述べている。

高ストレス者で活性持続
 Wang博士らのもう 1 つの関心の対象は,ストレッサーの除去後もストレス反応が持続することであった。今回の研究で暗算課題の実行中に高ストレスを訴えた者は,課題の終了後も腹側RPFC,右島皮質/被殻(RIn/Pu),前帯状回皮質(ACC)の活性が持続することが判明した。従来,中等度のストレッサーを受けると,治療前の心拍数に回復するまでに数分間,コルチゾル値が治療前値に回復するまでに 1 ~ 2 時間かかる場合があることが知られている。これは,ストレス反応の行動学的評価では,これより早く回復したように見える場合でも生じる。

CBFが心拍数の変化と相関
 Wang博士らは「腹側RPFCと右眼窩前頭皮質(ROrFC)の治療前CBFの変動は,ストレス課題の体験により引き起こされる唾液中コルチゾル値および心拍数の変化と相関があった」と述べている。
 コルチゾル値を共変量として用い,ストレス課題の前後のCBF値を比較したところ,腹側RPFCにおいて,ストレス課題前と課題後の治療前CBFの変化は,唾液中コルチゾル値の累積変化(AUC)と有意な相関があることが判明した。治療前CBFとコルチゾルAUCの変化は,ACC,楔前部,左右の角回/下頭頂皮質における変化とも有意な関連があった。
 また,心拍数を共変量とした回帰分析では,ROrFC,後外側右前頭皮質,右下側頭皮質においてCBFの変動と低ストレス課題から高ストレス課題への心拍数の変化との間に有意な関連があった。

ストレス自覚と不安にも相関
 さらに,腹側RPFCにおいて,治療前CBFの変化と課題実行時の主観的ストレス評価との間に有意な相関があることも,回帰分析により判明した。ACCとRIn/Puにおける正の相関も観察された。
 同様に,主観的な不安の評価を独立変数として用いた回帰分析では,CBFの変化とストレス課題実行時の主観的不安評価との間に強い相関が見られた。これは,左島皮質/被殻/扁桃体(LIn/Pu/Am)と上側頭領域を含む,大規模な活性群に現れた。CBFの変化とストレス課題実行時に感じる不安の程度との間の正の相関は,右被殻,扁桃体,海馬,右上側頭領域でも明らかであった。
 被験者が訴えるストレスの自覚は,被験者が感じる不安の程度と有意な相関があり,それより少ない程度ではあるが,欲求不満とも相関があることが判明した。

負感情の神経経路を超えた活性
 Wang博士らは「今回の研究で観察されたRPFC活性は,実は負の感情に関連する神経経路を超えたものであった。観察された脳パターンの一部は,暗算とそれに伴う特定の行動(暗算課題実行時の被験者自身による精神状態の評価など)の実行を反映している可能性が高い。今回の所見は,偶発的な要素では説明できない。われわれの回帰分析では,困難または努力はRPFC活性に関与しないことが示されたので,課題ストレッサーに伴う認知の要求度と努力の増加では,今回の所見を説明できない」と述べている。
 もう 1 つの興味深い所見は,驚くには値しないが,各被験者の治療前特性により,ストレスに対する反応の程度が予測されたというものである。すなわち,腹側RPFCにおける治療前CBFの増加度が大きいほど,課題実行時に感じるストレスが強かった。
Medical Tribune[2006年7月20日 (VOL.39 NO.29) p.45]


この研究では、ストレッサーの除去後もストレス反応が持続することも指摘されています。
強いストレスであれば、それだけストレス反応も持続することも予想されますから、不眠などの不調の引き金になるストレスは、その数日(数ヶ月?)、さかのぼって分析しないといけませんね。

また、今日感じたストレスが、それだけでは症状を引き起こさないレベルのストレスであっても、ストレス反応は続き、その続いている小さなストレス反応に更に次のストレスが加わり、またそこに次のストレス反応が加わって・・・と、そうしている内にドンドン大きなストレス反応になっていって・・・という悪循環になってしまうパターンも多いのかもしれません。

いずれにしても、そうなってしまわないように、ストレスは、上手に解消していきたいものです。