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「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです

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ちょっと専門的な記事ですが、注目です。


神経回路形成機序に新たな知見

〔米マサチューセッツ州ウォルサム〕 ブランダイズ大学(ウォルサム)生物学のGina Turrigiano教授らの研究により,神経回路が経験により形成される方式に新知見がもたらされた。同大学神経生理学のArianna Maffei氏を筆頭研究者としてNature(2006; 443: 81-84)に発表されたこの研究は,視覚刺激遮断期間の後に視覚皮質が可塑的に再編成される能力に影響する機序に新たなエビデンスを提供するものである。

抑制性シナプスの重要性を実証
 Turrigiano教授は「脳が正しく配線されるには発達早期の最重要時期の経験が必要で,この経験依存的可塑性の機序の解明はヒトの発達と障害の理解に,また幼児期の最適な認知発達を促進する戦略の設計に不可欠である」と説明している。
 神経研究者の間でかなり以前から知られていたことであるが,脳の正しい発達には適切な感覚刺激が必要で,経験は感覚皮質の機能構造に可塑的変化を引き起こす。脳発達の最重要時期に片眼を遮蔽して育てられた動物は,視力と視覚刺激に反応する能力の一部を失う。Maffei氏らは,これらの実験条件でニューロンの電気活動と接続を記録して若齢ラットの視覚皮質回路を調べた。
 同氏は「われわれは,皮質回路の機能損失にかかわる新しい重要な機序を見出した。今回の研究結果は直接には感覚遮断による二次的視覚機能損失に適用されるが,経験に応答する皮質ネットワークのより一般的な戦略を示している可能性が高い」と述べている。
 同氏らによると,発達の早期段階での視覚遮断による長期的な皮質機能停止は,皮質抑制が大幅に増える結果で,とりわけインプットを受け取る層の 2 種類のニューロン,すなわち抑制性高速発射かご細胞と興奮性星状錘体細胞との間の抑制性シナプス接合の強度は 3 倍に増加する。
 神経回路の発達には興奮性シナプスの調節が最重要で,機能損失は興奮の抑制の結果であると長く信じられてきたが,今回の研究は適切なネットワーク接続,そして神経機能の維持や破壊において抑制性シナプスが決定的役割を果たしていることを実証した。
 Turrigiano教授は「われわれのデータは,経験が脳にどのように作用するかについて,考え方を根本的に見直す必要性を示唆している。興奮性ネットワークのみが標的ではなく,可塑性の焦点は抑制性ネットワークにある。われわれのデータによると,皮質内の抑制性ネットワークは可塑性が高く,いくつかの病的状態は抑制性ネットワークの可塑性の不適切な活性化により生じる」と指摘している。

Medical Tribune[2006年11月2日 (VOL.39 NO.44) p.48]



この記事の中で注目すべきは

いくつかの病的状態は抑制性ネットワークの可塑性の不適切な活性化により生じる

という部分。

慢性的な痛みは、急性痛と違って、脳の可塑性が原因といわれています。

ということは、「痛みの抑制系ネットワークの機能」が不適切な活性をしているということなのでしょうね。

つまり、痛みの抑制系ネットワークを適切に活性化することが出来ればいいということなんですね。

痛みの抑制系はセロトニン神経と言われていますので、瞑想やら呼吸やらが慢性痛に効くのも納得。

そういえば、別の症状で病院へ行き、そこで処方された抗うつ薬で、慢性的な腰痛が治まったという男性もいたな~。


いろいろなものが「つながる」記事ですね。