FC2ブログ
「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです
膝に水がなぜ溜まるのか?

よく聞かれる質問ですね。

そこで今回は、「膝に水が溜まる」ということにスポットを当て探検してみたいと思います。


関節に溜まる水とは関節粘膜(滑膜)の炎症による浸出液のことをいいます。

多くの場合、変形性関節症などで、軟骨の変性→滑膜の炎症→水が溜まる、といったケースや、関節リウマチなどで、免疫のトラブル→滑膜の炎症→軟骨、関節組織の破壊→水が溜まる、ということなどで起こります。
そして、擦り減ったり破壊された関節軟骨、関節組織などから放出される炎症性サイトカインによって炎症が起こり、水が溜まるのだと説明されております。

この考えでいくと軟骨の擦り減り具合が大きければ大きいほど、関節組織の破壊が大きければ大きいほど、炎症性サイトカインは多量に放出されるということになります。

ですが実際は、軟骨が相当痛んでいても水が溜まらない人もいれば、まったく溜まっていないというケースもあるわけです。
仮に溜まったとしても、一時的なもので解決する場合もあれば、繰り返したり慢性的に発症したりする場合もあります。
そして、以前はよく水が溜まったが、今は溜まらないという人もいらっしゃいます。

軟骨に擦り減りが起きて炎症が起こる→水が溜まる

たくさんの方々の膝の状態、症状などを診てきて、膝に水が溜まるプロセスの裏には他の要因が影響しているのでは?と考えています。


あくまで、臨床上の観察に基づく私見ですが、発症も単なる使いすぎ、加齢による変形といったことよりも、何かストレスと関係しているように思います。

滑膜細胞が出す炎症性サイトカインやマクロファージが関係しています。

聞きなれないかもしれませんが、マクロファージというのは、免疫を担当している細胞です。
免疫をつかさどる白血球。
それは、顆粒球(かりゅうきゅう:好中球、好酸球、好塩基球に分類)、リンパ球、そしてマクロファージに分けられ、それぞれの働き方、役割があります。

自律神経の働き具合によって、顆粒球やリンパ球のそれぞれの占める割合は変化します。
活動モード/緊張モードの場合、交感神経が優位になり顆粒球が増え、リラックスモード/休息モードの時にはリンパ球が増えます。
このように、免疫は自律神経と関係しています。
そして、自律神経はストレスと関係しているのです。
関節に水が溜まる、あるいは溜まりやすいのは、やはりストレスと関係があるのです。

症状由来のものであれ、他の潜在的なストレスであれ、何かしらのストレスが強くかかっていると、免疫機能に影響を与え、過剰に反応してしまい、結果、関節に水が溜まる、なかなか抜けない、こう連鎖しているわけです。


また、膝に水が溜まるというのは一般に、膝蓋上包という部分に炎症による浸出液が集まってきて起こります。膝蓋上包は膝蓋骨(膝のお皿)と大腿骨との間にあって、クッションの役割をしているところです。

その他、長時間、立て膝をしていると膝蓋前滑液包という部分に炎症を起こして水が溜まることがあります。これは、膝蓋骨と皮膚との間にある部分で、床と膝蓋骨に挟まれた膝蓋前滑液包が摩擦によって炎症を起こし、水が溜まっていくと考えられています。

どちらにせよ、カギとなるのは「膝蓋骨」のように思われます。
関節軟骨の磨耗や関節組織の破壊に加えて、膝蓋骨がどのような状態にあるか、これが炎症具合や水のたまり具合などに影響を与えているのではないでしょうか。

つまり、膝蓋骨の正常な可動が阻害される状態にあって、膝蓋骨が膝蓋上包などと摩擦することによって、炎症が起こりやすくなっていると水も炎症反応以上に溜まってしまうのではないでしょうか。

膝蓋骨の正常な可動を阻害する要因としては、大腿直筋、大腿内側広筋、外側広筋の緊張が強くなっているケースがあります。

これらの筋群の緊張を解除し、膝蓋骨本来の可動を回復させた結果、水を抜くことなく速やかに軽減できたということは、私自身の経験でも、これまでの他の症例報告などにおいても非常に多いのです。
リウマチや変形性関節症は、その時点で存在していても、です。


変形性関節症だから・・・とか、リウマチだから・・・ということばかりではなくて、「ストレス」と「膝蓋骨とその周囲筋の状態」、これが膝に水を溜めやすくしてしまう要因のように思います。


よく、「水を抜くとクセになる」といいますね。
これは、水が溜まってしまう引き金となる要因をそのまま残してしまっているからにほかなりません。

これは、変形性関節症やリウマチが続いている、ということを指すことになりますが、それ以外にも、膝蓋骨の可動状態のクセ(ゆがみ)や周囲筋の緊張状態のクセ、ストレスに対する身体的反応のクセなどもあろうかと思います。

水が溜まってしまった場合には、何かしらの形でもいいですので、速やかに解消させること、そして解消した後に慢心せずに根本に潜んでいるトラブルを解消させること、これが大切ですね。