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「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです
一酸化窒素(NO)がもたらしてくれる恩恵は、数知れず。
一酸化窒素について、これまで耳にされることは少なかったと思います。1988年にノーベル医学生理学賞を授与されたイグナロ博士は、一酸化窒素(NO)の体内での有用性を証明したことで、その功績が認められました。
ちなみに、博士の研究によると、動脈の内側の内皮細胞で生成される一酸化窒素は、細胞膜を通じて筋肉細胞に急速に広がり、筋肉を弛緩させます。これにより動脈が拡大、血圧や血流を調整、血栓の発生を予防していたことがわかっています。
また、一酸化窒素は、体内で様々な組織の働きをコントロールするメッセンジャーとしての役割を担っているなど、人体の中で最も重要な物質のひとつとして、人間の健康に重要な役割を果たすことが実証されています。

そもそも、一酸化窒素は、運動や食事によって体内でつくられるものですが、30歳を越えるあたりから加齢と共に体内の一酸化窒素の生産能力は低下してしまい、それが、様々な障害の一因になるとされてきました。

一酸化窒素は若々しくイキイキとした生活を送るうえで必要不可欠な物質であり、その欠乏は老化と共におこりがちな深刻な病気や症状の要因となるとされています。


そのあたりを抑えたところで、この記事をどうぞ。


関節リウマチの病因にNOが関与

“95%近くにshared epitope”の解明に期待
〔米ミシガン州アナーバー〕 ミシガン大学(アナーバー)内科のJoseph Holoshitz准教授らは,関節リウマチ(RA)の病因として,一酸化窒素(NO)が関与するという知見をArthritis and Rheumatism(2006; 54: 3423-3432)に発表した。RAは関節を障害し,疼痛,運動機能低下,骨変形をもたらす慢性の炎症性疾患で,米国の患者数は210万人と推定されている。新知見は,20年以上も研究者を悩ませてきた疑問である“95%近いRA患者が,shared epitopeと呼ばれる共通のDNA配列を持ち,このDNA配列を持つ患者のほうが持たない患者より疾患が重度なのか”の解明に役立つと期待される。
最初の直接的証拠を入手
 このshared epitopeは,免疫系の抗原認識に関与する蛋白質をコードするヒトゲノムの領域に位置していることから,大部分の研究者はRAを自己免疫疾患と考えている。
 しかし,Holoshitz准教授は「それが正しいとする説得力のある証拠はない。われわれは,自己免疫疾患でない別の疾患で,RAと同じHLA遺伝子との相関性を認めた」と述べている。
 同准教授らは,shared epitopeは身体のさまざまな細胞が産生する重要なシグナル分子であるNOを増産させるシグナル伝達カスケードの引き金となることを見出した。「われわれの知見は,この活性が抗原提示とは無関係であることを示唆している。shared epitopeがRA患者に見られるNOの過剰産生を招く可能性を示す最初の直接的証拠を入手した」と付け加えている。
 同准教授は「RA患者の関節組織ではNOレベルが高く,この気体がRAでなんらかの役割を担っていることが以前から推測されていた」と説明。「RA患者でNO産生を調べたところ,shared epitopeを持つ患者では,産生が有意に高いことがわかった」と述べている。
 NOの過剰産生は,細胞死に至る自然過程であるアポトーシスを抑制する。アポトーシスの抑制はRA患者の関節表面の細胞に見られる共通の特徴で,これが各症状を誘発すると考えられる。ミシガン大学の研究では,shared epitopeを持つヒトの細胞は,持たないヒトの細胞と比べて細胞死に完全な抵抗性を示した。

RA以外の疾患にも新たな視点
 今回の知見は,RA以外の疾患にも新たな視点を提供するものである。例えば,ナルコレプシーやある種の白血病はHLA遺伝子と強いつながりがあるが,自己免疫疾患であるという納得のいく根拠はない。Holoshitz准教授によると,HLA遺伝子とその機能をさらに研究すれば,これら疾患の病因に新たな洞察が得られると思われる。
 同准教授は別の問題点として,「shared epitopeとRAの相関は多くの民族で一致して認められるが,一方でshared epitopeを持たない患者も 5 ~10%存在する。そのため,RA患者のNO過剰産生に関与する他の原因を調べる必要がある」と指摘している。
 今回の研究は米国立衛生研究所(NIH),関節炎財団,ミシガン大学バイオテクノロジー開発基金の支援を受けた。
Medical Tribune[2006年12月28日 (VOL.39 NO.52) p.01]




一酸化窒素については、また今度取り上げることにしよう。