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「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです
今回の研究の対象者は、高血圧で過体重(肥満)、閉経後の女性。
最大酸素摂取量の50%の強度で、週に75分の運動でも効果が期待できるようです。
プログラム作成の参考にしてみてはいかがでしょう。


過体重閉経後女性のフィットネス
週75分程度の運動でも改善

 〔シカゴ〕 ルイジアナ州立大学(LSU,ルイジアナ州バトンルージュ)Pennington生物医学研究センターのTimothy S. Church博士らは,1 週間に75分程度の短時間の運動でも,日常的にほとんど運動をしていない過体重または肥満の閉経後女性のフィットネスレベルの改善に役立つことがわかったとJAMA(2007; 297: 2081-2091)に発表した。

目標強度は最大VO2の50%
 低レベルの心肺フィットネスは,心血管疾患(CVD)と死亡リスクの増加と関連しており,フィットネスの改善はこれらリスクの減少と関連している。研究論文の背景情報によると,運動習慣は成人のフィットネスの一次決定因子であるため,運動の変化はフィットネスの変化につながる。しかし,運動レベルとフィットネスレベルの変化の関係については十分に解明されていない。
 今回の研究では,米国立衛生研究所(NIH)のコンセンサス委員会が過体重または肥満で運動をほとんどしない高血圧の閉経後女性に対して心肺フィットネス改善のために推奨している活動量の50%,100%,150%に相当する運動の効果を調べた。NIH委員会は,1 週間の大半(できれば毎日)中等度の強度の運動を30分以上行うことを推奨している。今回の研究にはbody mass index(BMI)が25.0~43.0,収縮期血圧120.0~159.9 mmHgのほとんど身体を動かしていない過体重または肥満の女性464例が参加し,2001年 4 月~05年 6 月に実施した。
 被験者は,運動を行わない対照群(102例),1 週間当たりのエネルギー消費量が 4 kcal/kg群(155例),8 kcal/kg群(104例),12kcal/kg群(103例)の 4 群のいずれかにランダムに割り付けられた。介入期間は 6 か月間であった。
 各被験者のトレーニングの目標強度は,酸素消費量とフィットネスレベルの指標である最大酸素摂取量(peak VO2)の50%に相当する心拍数(中等度の強度)とした。

用量反応関係を確認
 運動群の 1 週間の平均運動時間は,4 kcal/kg群が72.2分,8 kcal/kg群が135.8分,12kcal/kg群が191.7分であった。対照群と比較すると,VO2の絶対値は 4 kcal/kg群が4.2%, 8 kcal/kg群が6.0%,12kcal/kg群が8.2%それぞれ増加していた。対照群と比べて,いずれの運動群も試験開始前から 6 か月間の収縮期血圧または拡張期血圧に有意な変化は認められなかった。
 Church博士は「われわれの研究の最も特筆すべき知見として,たとえ 1 週間に約72分程度の運動でも,運動を実施しなかった対照群と比べてフィットネスレベルの有意な改善と関連していることが明らかになった。この知見は将来的な推奨の作成に役立つとともに,毎日60分はもとより,1 週間に150分の活動時間を確保することも困難な非活動的成人を勇気付けるものである」と述べている。
 Brigham and Women's病院とハーバード大学公衆衛生学部(ともにボストン)のI-Min Lee博士は,同誌の付随論評(2007; 297: 2137-2139)で,運動レベルとフィットネスに関する今回の研究について,「 1 週間に72分以上の中等度の運動で,運動と身体フィットネスの改善に用量反応関係が示されたが,これ以外の運動パターンに対する直接的な解答を与えるものではない。費用と実行可能性が限られていたことは理解できるが,この研究は起こりうる運動パターンのわずか 3 種類を模倣したにすぎない。現実の生活では無限の運動パターンが存在する」とコメントしている。
 さらに,「運動と健康の用量反応関係に関する知見は不完全なままであるが,Church博士らの研究は,慢性疾患と早期死亡の強力な予測指標である身体フィットネスを改善するための運動量について,重要な情報を提供している。患者と臨床医のために要約すると,たとえわずかな運動でも有効だが,多いほど効果的と言えるだろう」と述べている。
[Medical Tribune 2007年6月28日 (VOL.40 NO.26) p.21]