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「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです
この記事も、広い意味では体温コントロールの重要性につながってきます。
男性器は、体温の状態を如実にあらわしますから。
寒い時には縮み、陰嚢を体幹に近づけ、暑い時には冷却のため体幹から離し、いわゆるダラーンとタヌキの○玉状態に。
古くから元気を保つには局部を「冷やせ!」と言われてきたのも、精子の産生は熱すぎるとうまくいかないためですからね。
キュッと縮むことと、ダラーンと冷却状態の時とが適時行われている状態が、一番望ましいコンディションですから、縮みっぱなしやダラーンとだらけっぱなしの際には体温コントロールをお忘れなく。


熱い風呂好きの男性に不妊リスク
精子の産生と運動能を抑制

〔サンフランシスコ〕 カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)男性生殖医療センター所長で同大学泌尿器科学のPaul J. Turek教授らは,熱い風呂に入る習慣がある男性は不妊リスクが高いが,その影響は可逆的であることが示唆されたとInternational Brazilian Journal of Urology(2007; 33: 50-57)に発表した。

精子の運動性が12%から34%に
 今回の知見は,入浴やジャグジーを使用して熱い湯に習慣的に曝露されていた不妊男性を対象とした 3 年間の研究から得られた。
 研究では,湿性温熱への曝露を「試験登録前 3 か月以上にわたり,体温より高い湯温の湯船やジャグジーなどに週30分以上浸かるという習慣を継続していること」と定義した。過去 1 年以上前に不妊治療を受けた患者,女性側にも不妊原因が存在する患者は除外した。
 その結果,湿性温熱に習慣的に曝露されていた不妊患者11例を同定し,こうした習慣を 3 か月以上断つよう指示した。11例中 5 例(45%)はこれに良好な反応を示し,3 ~ 6 か月後には運動性のある精子は平均491%増加した。こうした変化は,精子数が増加したことにもよるが,おもに精子の運動性そのものが統計学的に有意に改善されたためである。登録時の精子の運動性は平均12%であったが,介入後は34%に向上している。
 精子数や精子の運動性が改善されなかった 6 例では,考えられる差別化要因として喫煙が挙げられた。反応群では 3 例が時々喫煙する程度であったのに対し,非反応群では 6 例中 5 例が喫煙常習者で,喫煙歴もかなり長かった。そのほかの生殖毒性因子は特定されなかった。
 筆頭研究者のTurek教授は「湿性温熱に曝露されると妊孕性に悪影響が及ぶことは数十年も前から言い伝えられてきたが,実証はないに等しかった。今回,こうしたレクリエーション活動は,実際に男性不妊リスクであるというエビデンスを示すことができた」と述べている。
 今回の論文は予備的発表ではあるが,「子をもうけることを考えている男性に推奨されるライフスタイルのリストに,こうした行動を避けるように付け加えても問題ないであろう」と述べている。

初めてのエビデンス
 Turek教授によると,高熱を出したり,外熱を受けるなどの乾熱にさらされた場合,精子の産生が阻害されることはこれまでにも多く立証されていたが,全身が湿性温熱に曝露されることでも精子の産生と運動性が抑制されることを示したのは,今回の研究が初めてであるという。また,こうした習慣を断った不妊男性の約半数で,悪影響は可逆的であることもわかった。
 2002年の全米家族調査では,米国で自然受胎により結婚後 1 年以内に子供ができない夫婦は 7 %と報告されている。
 米国生殖医学会(ASRM)によると,こうした夫婦のうち,不妊原因が男女いずれかにあるのはそれぞれ30%で,そのほかは双方に原因があるか原因不明である。
 ASRMは,不妊症例の85~90%は薬剤療法や手術により効果的に治療でき,体外受精など高度生殖医療技術を必要とするのは 3 %に満たないと推算している。しかも,体外受精の費用は高額で,米国では 1 治療サイクル当たり平均 1 万2,400ドルとなっている。
 同教授は「今回の知見は,単純なライフスタイルの改善で,高度な技術による介入を受けずに,または全く技術的介入なしで不妊治療ができるかもしれないことを意味している。科学技術に頼らずに自然に子をもうけたいと考えるカップルは多く,今回の知見はそうしたカップルに役立つ方法の 1 つである」と述べている。また,子供を授かりたい男性に対して「自分の体を大切に扱うべきである。よく食べ,よく眠り,身体をきちんと管理すべきである」とアドバイスしている。
 なお,こうした相関を検討した過去の研究報告としては,1965年に実施されたものが存在するのみという。同研究では男性20例の精巣を, 1 日おきに計 6 日間,1 回30分間湿性温熱に直接曝露した。その結果,試験中に精子産生の一時的な減少が示唆されたとしているが,試験前と後の精子の質については記載されていない。1940年代にスイスで実施された試験でも,湿性温熱と一時的な男性不妊との相関が示唆されているが,この試験は公表されていない。
[Medical Tribune 2007年6月28日 (VOL.40 NO.26) p.69]