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「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです
本日の注目記事より。

コンドロイチン 変形性関節症への効果は低い
大規模臨床試験のメタアナリシスで結論

〔ニューヨーク〕 ベルン大学(スイス・ベルン)のStephan Reichenbach博士らスイス,英,独の共同研究チームは,コンドロイチンは変形性関節症(OA)の疼痛を軽減させないことが明らかになったとAnnals of Internal Medicine(2007; 146: 580-590)に発表した。同博士らは「方法論的に信頼できる大規模な臨床試験の結果,コンドロイチンの症状改善効果はきわめて低いか,あるいは存在しないことが示された。したがって,日常的な臨床診療における同薬の投与は推奨されない」と述べている。この結論は,膝と股関節のOAに対する同薬投与のメタアナリシスから導かれた。このメタアナリシスには,3,846例の患者が参加する20件の臨床試験を組み入れた。

臨床的優位性は不明確
 今回のメタアナリシスによると,コンドロイチンの有効性が示されていたのは,概して方法論的に不適切な臨床試験であった。Reichenbach博士らは「小規模な試験,割り付けの秘匿が不確実な試験,最初の方針通りに解析する治療企図解析の原則に基づいて解析されていない試験では,コンドロイチンの効果がその他の試験の成績より高く現れていた」と述べている。ある臨床試験におけるコンドロイチン療法の鎮痛効果は,全関節置換術による鎮痛効果の 2 倍であると主張していた。
 同博士らが,サンプルサイズが大きく,治療企図解析に基づいている 3 件の臨床試験に解析対象を限定すると,組み入れた患者は全患者の40%となった。効果の大きさは-0.03〔95%信頼区間(CI)-0.13~0.07,I2= 0 %〕であった。この数字は10cmの視覚アナログ尺度におけるわずか0.6mmの差に相当する。
 メタアナリシスでは,疼痛に対する同薬の効果に加え,関節裂隙狭小化に対する効果も評価した。5 件の臨床試験に参加した1,192例の患者で,このアウトカムを評価した。同博士らは「その効果は低いものである可能性が高く,その臨床的有意性は不明確である」と述べている。
 このアウトカム評価で,コンドロイチン群とプラセボ群を比較すると,コンドロイチンの効果は最小関節裂隙幅で0.16mm(95%CI 0.08~0.24),平均関節裂隙幅で0.23mm(95%CI 0.09~0.37)と同定された。さらに,同博士らは「関節裂隙狭小化に対するコンドロイチンの効果は,小さいサンプルサイズに伴うバイアスに影響されている可能性がある」と説明。「同薬の非安全性を示唆するエビデンスは見出されていない」と述べている。
 有害事象についてプールされた相対リスクは,有害事象に関して十分なデータを備えた臨床試験12件のメタアナリシスにおいて0.99(95%CI 0.76~1.31)であった。

方法論的欠陥が多い
 今回のメタアナリシスは,多数の小規模臨床試験に見られる方法論的欠陥という主題に立ち戻る。例えば,メタアナリシスにはランダム化比較試験(RCT)だけでなく「擬似ランダム化」比較試験も組み込まれる。
 しかし,方法論的問題点の範囲はこれにとどまらない。Reichenbach博士らは「多くの臨床試験では方法論的な質が低いか,あるいはその報告が不適当であった」と記している。多くの場合,(1)被験者の割り付け方法が十分に秘匿されていない(2)治療企図解析がなされていない(3)サンプルサイズが小さすぎる-という問題点があった。
 2000年に発表された過去のメタアナリシスでは,コンドロイチンが疼痛症状に対して中等度~高度の鎮痛効果を示したと結論付けているが,同博士らはこの解析に組み入れられた試験の質を疑問視した。この結論は現在では全く用いられていない。
 同博士らは,長い期間をかけてより質の高いエビデンスが蓄積されてきたとしている。
 しかし,同博士らは臨床試験の方法論的特性と,軽度のOA患者の割合との間に,ある程度の交絡が存在しうると指摘している。事実,初期に行われた臨床試験では,最近の臨床試験と比べて軽度のOA患者がより高い割合で登録されていた。このことから,同博士らは「進行したOA患者に効果がある可能性は低いと考えるが,軽度の患者で効果を示すかどうか実証するには,十分な検出力を備えたRCTを行うしかない」と考えている。
 コンドロイチンはグルコサミンとの併用で用いられることが多いため,当然,同博士らはメタアナリシスの対象をコンドロイチン単独の試験に絞った。

グルコサミン併用も軽減効果ない
 この併用に関連する問題は,ボストン大学(ボストン)公衆衛生学のDavid T. Felsom博士が同誌の付随論評(2007; 146: 611-612)で取り上げている。
 同博士の指摘によると,グルコサミン/コンドロイチン関節炎介入試験(Clegg DO, et al. New England Journal of Medicine 2006; 354: 795-808)により,塩酸塩型グルコサミン,ならびにグルコサミン+コンドロイチン硫酸併用のいずれにおいても,プラセボより高い有効性を示さないことが明らかになった。したがって,多くの患者で,グルコサミン+コンドロイチン硫酸併用が関節痛を軽減する可能性は低い。
 同博士は,これまでの知見に基づく考え方として,臨床医に向けて次のように述べている。(1)現在証明されている限りではコンドロイチン硫酸はOAの関節痛を軽減しない(2)しかし,患者が同薬の有用性を確信している場合には,有害事象の報告は少なく,重度でもないため,同薬を危険とみなすべきではない。患者が同薬の効果を認めている場合には,効果を感じている限りその服用の継続を勧めて差し支えないと考える。
 同博士によると,このような効果はプラセボ反応の可能性が高いが,「コンドロイチン硫酸の吸収促進,あるいは限定的代謝による治療反応の可能性もある」と推測する。
 同博士は,OAによる疼痛に対して同薬が有効であると言われる理論上の根拠に関して「軟骨に含まれる分子を摂取して自分の軟骨組織に取り込むという概念には説得力がある。しかし,その論理は誤解を招くものである。グリコサミノグリカンは,無傷のコンドロイチン分子からは合成されない。したがって,摂取されたコンドロイチンが無傷のまま軟骨に取り込まれる可能性は低い」と述べている。

“質の高い研究”と称賛
 また,Felsom博士は「コンドロイチンは高分子で,無傷では摂取量の12~13%しか血流中に吸収されない」と指摘。仮に同薬療法により軟骨の状態が改善するとしても,それがOAに関係する他の因子に影響を与えるとは考えにくいとしている。さらに「コンドロイチンがOAにかかわりのある骨,?帯と筋肉に作用する可能性は低く,軟骨のみを標的とするいかなる治療も,OAのおもな症状である疼痛を軽減させる可能性は低い」と述べ,その理由として軟骨は神経を欠如していることを挙げている。
 さらに,動物実験により,コンドロイチンは抗炎症性物質であることが示されていることに関しては,「炎症がOAの疼痛を引き起こすことは証明されており,そのため同薬がこの疼痛の軽減に効果を示す可能性もあるが,その可能性は現在の臨床研究が示すものであって,エビデンスに裏づけられたものではない」と述べている。
 さらに同博士は,Reichenbach博士らが用いた方法論を取り上げ「臨床試験のエビデンスの対立を解決するための興味深い戦略であり,有効性について類似した推定結果を示す質の高い大規模臨床試験のサブセットに焦点を当てた」として称賛している。
 Felsom博士は「Reichenbach博士らは最近の大規模臨床試験 3 件を選んだが,これらはすべて治療企図解析を行い,ランダム化割り付けの順序を十分に秘匿した試験であった。同博士らは 3 件すべてでコンドロイチンが奏効しなかったことを指摘した」と述べている。
[Medical Tribune 2007年7月19日 (VOL.40 NO.29) p.81]




記事によると、コンドロイチンが変形性関節症(OA)にかかわりのある骨、靭帯と筋肉に作用する可能性は低く、軟骨のみを標的とするいかなる治療も、OAのおもな症状である疼痛を軽減させる可能性は低いとあります。
その理由として軟骨は神経を欠如していることを挙げていますが、このブログでもたびたび書いているように、変形と痛みなどの症状は必ずしもイコールではなくて、変形はあっても痛みの原因は関節由来ではなくて筋肉などから起こっているということもあります。
軟骨が再生すれば、必ず症状も消えるということではないことは、明らかですので、痛みなどの症状軽減/解消と軟骨の再生(変形した関節の改善)とは別の治療が必要なのでしょう。

とはいえ、コンドロイチンが出回りはじめて現在まで、かなりの方が摂取してきたと思われますが、症状が良くなった方もそうではない方も、軟骨に必要な成分であることは間違いありませんから、栄養はしっかりと補給しながら、必要な治療/施術、運動などを行っていきましょう。