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「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです
これは有効活用?

脳の判断を惑わせるニューロマーケティング

価格が高ければ、その品物にそれだけの価値があるのだと人は思いがちだが、その判断が常に正しいわけではないことが、最先端の脳画像技術を用いた研究によって判明した。

米スタンフォード大学(カリフォルニア州)およびカリフォルニア工科大学(Cal Tech)の研究グループは、商品の価格を上げると、快感をコードする脳領域が活性化することを突き止めた。このように、生物学的な操作(ごまかし)によって快感の認知を増大させる研究は「ニューロマーケティング(neuromarketing)」(※神経科学の観点から、消費者心理や行動の仕組みを解明して、マーケティングに活用しようとする試み)と呼ばれる。

Cal Tech経済学准教授のAntonio Rangel氏は「商品を変えなくても、値札を変えることで、快感を司る脳部位の活性を変化させることができる」と述べている。この知見は、米国科学アカデミー発行の「Proceeding of the National Academy of Sciences(PNAS)」オンライン版に1月14日掲載され、同誌印刷版の1月22日号に掲載された。

Rangel氏らは、20人の被験者を対象に、さまざまな価格のワインについて、どのくらいおいしく感じたかを評価させると同時に、機能的磁気共鳴画像(fMRI)による脳画像を撮影した。しかし実は、そのうち2種類のワインについては2回出され、1回は高い価格、もう1回は安い価格の値札がつけられていた。その結果、被験者は「安い」ワインよりも「高い」ワインの方で、おいしいと回答。また、fMRIの画像でも「高い」ワインを飲んだときの方が内側眼窩前頭皮質(匂い、味、音楽などによる快感に反応する部位)の活性が大きいことがわかった。

商品から得られる快感は、その商品そのものによってのみ決まると考えられていたが、実際はそうではなく、その商品をいかに楽しめるかは、その人が信じていることに左右されることが示されたとRangel氏はいう。同氏は、商業目的ではなく、科学的な目的でニューロマーケティングを研究しており、「脳が何かを決定するときに、価格のような環境的変数がどれほど影響するのかを知りたい」と述べている。

ある専門家は、ニューロマーケティングは、人の考え方を理解し、マーケティングを効率よくする手段であると捉え、「企業と消費者との関係を理解する上で革命的なもの」としている。しかし、別の専門家は、ニューロマーケティングを無害とはみなさず、医療機器や医療技術を利用して販売者が業績を上げようとするのは極めて問題が多く、特に子どもにとって厄介な問題と指摘。この研究で、人は多くの要因の影響を受け、無意識のうちに全く理性的でない商品の選び方をしてしまうことがあることがわかると述べている。

(2008年1月17日/HealthDayNews)


実験の結果にあるように、確かに同じものでも、価格に高低差があると、高い方が良いもの(上記の場合では美味しい)と感じてしまいますよね。
この脳の働きをマーケティングに活かす、と考えるのは自然なことかもしれませんが、別の専門家が言うように、無害とはいえないのかもしれません。
“価値”というものは、人それぞれで、例えば、本来ならば適正であるはずの価格よりもかなり大きく設定されていても、その人がそれでいいと思えばそれまでなわけですし、そうなると、“適正”というものが無くなってしまう気がします。

脳の働きやしくみが解明されることは、原因不明の病気を治すことができるかもしれない、など、素晴らしいことなのだと思いますが、マーケティングの名のもとに、実はメーカーなどに踊らされていた・・・なんていこともあったりするわけで、ちょっと怖い気もしますね。