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「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです
気をつけなければいけないのは、お腹の脂肪だけではないようです。

心臓周囲の脂肪が心筋梗塞リスクを上昇

〔米ノースカロライナ州ウィンストンセーラム〕 ウェイクフォレスト大学バプテスト医療センター(WFUBMC,ウィンストンセーラム)老年学のJingzhong Ding助教授らが「心筋梗塞リスクという点では,心臓周囲脂肪(pericardial fat)の過剰な蓄積はBMI高値やウエスト周囲径の増大よりも重要だ」とObesity(2008; 16: 1914-1919)に発表した。

最も多い群では冠動脈石灰化プラーク率約5倍
 今回の試験は,心臓周囲脂肪と呼ばれる心臓周囲の脂肪蓄積と動脈石灰化プラークの生成との間に関連性があるか否かについて検討した初めてのものである。石灰化プラーク自体に危険性はないが,心筋梗塞や脳卒中を招く不安定なソフトプラークの存在と関連している。
 Ding助教授は「心筋梗塞リスク評価において,体脂肪の分布は体脂肪の量と同じくらい重要かもしれない。やせている人でも心臓周囲に脂肪が蓄積している場合がある」と述べている。
 同助教授らは,全米で6,800例が参加したMulti-Ethnic Study of Atherosclerosis(MESA)のデータを調べ,冠動脈周囲の脂肪が炎症および血管内のアテローム病巣増加を惹起するという仮説を検証した。
 エネルギーの貯蔵場所という役割に加え,脂肪は代謝や健康に影響を及ぼす蛋白質とホルモンを産生する"臓器"と考えられている。同助教授らの研究は,心臓や他の臓器の周囲に蓄積する過剰な脂肪は,臓器の機能障害につながるとする医学の新しい理論に基づいている。心臓周囲に蓄積した脂肪は,炎症性サイトカインを皮下脂肪より多く分泌することが知られている。同助教授らは,心臓周囲の脂肪が産生する炎症性蛋白質に持続的に曝露されることにより,アテローム動脈硬化の進展が加速されるのではないかと考えている。
 同助教授らは今回の研究で,159例(55~74歳)を対象に心臓周囲脂肪の量をCTにより測定した。そのうち58%に石灰化プラークが観察された。心臓周囲脂肪の量に基づき被験者を4群に分類したところ,脂肪の量が最も多い群では,最も少ない群に比べ冠動脈に石灰化プラークが認められる率が約5倍高かった。
 同助教授らによると,心臓周囲脂肪の量と冠動脈石灰化プラークのレベルに関係が認められたが,BMIやウエスト周囲径とは関係していなかった。
 同助教授は「われわれの知見は,総体脂肪よりも局所の脂肪蓄積のほうが冠動脈石灰化プラークとの関連性が高いことを示唆している。心臓周囲脂肪から分泌される炎症性のメディエータが冠動脈における炎症を促進し,冠動脈におけるアテローム動脈硬化を導くのかもしれない」と述べている。
 同助教授は今後も研究を続け,心臓周囲の脂肪蓄積が予防可能か否かを明らかにしたいと考えている。
 最後に,同助教授は「冠動脈疾患で命を失う人は非常に多いことから,新しい治療法や予防法を発見することは絶対に必要である」としている。
[Medical Tribune 2008年9月25日(VOL.41 NO.39) p.01]


“メタボリック”が浸透し、お腹まわりを気にするという光景は日常化されましたが、見た目だけでの判断は危険なようですね。
日本での、メタボリックシンドロームの目安は、胴囲が男性85㎝・女性90㎝以上、BMIが25以上だと肥満とされています。
どちらも簡単に数字を出すことができるので、逆を言えば、基準となる数字に満たなければ大丈夫、と思ってしまいがちです。
しかし、上記の研究報告では、「やせている人でも心臓周囲に脂肪が蓄積している場合がある」とのこと。
なんでもかんでも病気を疑えということではもちろんありませんが、見た目や数値だけで判断するのはよろしくないようですね。