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「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです
以前、「コレステロール、低い方が危険=男性は高いほど死亡率減る-富山大など」といった記事もご紹介しましたが、コレステロールの適正値については、動脈硬化学会と脂質栄養学会とで意見が分かれているようです。



コレステロール:適正値は 動脈硬化学会と脂質栄養学会が論争

◇動脈硬化学会「下げれば心筋梗塞減」/脂質栄養学会「高い方が長生きする」

 適正なコレステロール値をめぐり、診断基準を作った日本動脈硬化学会と、基準に批判的な日本脂質栄養学会が9月、大阪市で公開討論会を開催した。動脈硬化学会代表は「値を下げれば心筋梗塞(こうそく)にかかりにくい」と主張し、脂質栄養学会代表は「値が高い方が長生き」と強調した。決着しなかったが、糖尿病などを発症していない女性は基準を多少超えても投薬の必要性は薄いことでは一致した。【野田武、高木昭午】

 公開討論会は、脂質栄養学会の呼びかけで実現した。

 動脈硬化学会から参加した寺本民生・帝京大教授(内科)はまず、国内で30歳以上の男女約9000人を80年から17年余り追跡した調査(NIPPON DATA)を示した。

 80年当時の総コレステロール値が血液1デシリットル中160~180ミリグラム(LDLコレステロール換算で約88~106ミリグラム)だった人を基準にすると、220~240ミリグラム(同143~162ミリグラム)の人は心筋梗塞での死亡率が1・67倍高かった。

 また、欧米の研究チームがLDL115~187ミリグラムだった約9万人のデータを分析すると、LDLを薬で下げたグループは薬なしのグループより死亡率が12%低かったことも紹介した。

 寺本教授は毎日新聞の取材に対し「LDLを下げると心筋梗塞の発症率は減るが、これ以下は発症しないとの境はない」と説明。LDL140ミリグラム以上などを「脂質異常症」とした根拠は、データではなく専門家の合意によると語った。また、診断基準は病気と健康の境でなく、脂質異常症は病気以前の「未病」と説明。治療法は性別や年齢、糖尿病など他の要因を考えて決めるべきだと強調した。

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 一方、脂質栄養学会から参加した大櫛陽一・東海大教授(医療統計学)はNIPPON DATAについて「がんなどすべての死因を合わせた死亡率をみると、統計的に意味を持って高いのはLDL換算で181ミリグラム以上と88ミリグラム未満」と指摘。「140ミリグラム以上で心筋梗塞による死亡率1・67倍」は統計的に偶然の範囲で、基準の根拠として不適切だと主張した。

 また神奈川県伊勢原市で健診を受けた40歳以上の約2万6000人を約8年間追跡した調査を示し「コレステロールが高い方が長生きした」と話した。調査では、LDLが100ミリグラム以上の男性は死亡率が年間2~2・5%で、140ミリグラム以上も同様だった。100ミリグラム未満の男性は死亡率が年3%を超え、女性も死亡率が高いのは120ミリグラム未満だった。

 さらに「欧米では女性はコレステロール低下薬は不要とされる」と訴えた。04年の米医師会雑誌に、女性2万人余りを対象にした分析から、コレステロールを下げても、すべての死因を含めた死亡率は下がらないと結論づけた論文が掲載されているからだ。

 寺本教授も「LDLだけが高い女性は心筋梗塞のリスクが低く治療はあまり勧めない」と話す。その上で、「(糖尿病の手前にあたる)耐糖能異常があれば勧める。性別や年齢などを含む基準が望ましいが細かくて医師が使いにくいので一律にした」と理解を求めた。

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 ■動脈硬化学会の診断基準

 「悪玉コレステロール」とされるLDLコレステロールが血液1デシリットル中に140ミリグラム以上(総コレステロールで220ミリグラム以上)の場合などを「脂質異常症」とする。超えれば生活改善を勧め年齢(男45歳、女55歳以上)や喫煙、高血圧など他の問題次第で薬も必要としている。

毎日新聞 2008年11月7日 東京朝刊



動脈硬化学会と脂質栄養学会、両者の間では、コレステロール適正値についての決着はつかなかったようです。

果たして、どちらを基準にしたらいいのでしょうか…???