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「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです
太極拳が脳卒中既往者のバランス機能向上に有効

〔シカゴ〕脳卒中はバランス機能を障害し,転倒リスクを増加させることがある。イリノイ大学(UIC,シカゴ)理学療法科のChristina W. Y. Hui-Chan教授らは,脳卒中既往者が中国武術の太極拳を行うことでバランス機能を改善できるとNeurorehabilitation and Neural Repair(2009; 23: 515-522)に発表した。

集中力とバランス感覚が必要
 Hui-Chan教授らは,健康な高齢者を対象にバランス機能を改善し,転倒リスクを最小限にする方法として太極拳を用いた研究を行ってきた。そこで,今回の研究では脳卒中既往者を対象とした。

 同教授らは,香港で6か月以上前に脳卒中を発症した136例を対象に,(1)太極拳を行う群(2)呼吸法やストレッチのほか,着座,歩行,記憶,推論を含むエクササイズを行う対照群―にランダムに割り付けた。

 太極拳は頭部,体幹部,四肢を調和させた動作が特徴の中国拳法の1つで,高度の集中力とバランス感覚が求められる。被験者は,関節炎に効果が認められたシンプルな型を学んで研究に参加した。

 被験者は,週1回の少人数クラスで理学療法士によるトレーニングを受け,週3回1時間ずつ自宅でも練習を行った。12週間のトレーニングプログラムを受けたが,習得した技はわずか8つであった。目標は,患者が自立してトレーニングができるようになることとした。

 トレーニングプログラム終了後,被験者は体重移動や,多方向に上体を曲げる動作,また混雑したバスを想定しながら動く床面に立ってバランスを保つ能力を検査した。その結果,太極拳群では対照群と比べて良好な結果が得られた。しかし,着座,起立,歩行,再度の着座についての検査では両群とも改善は見られなかった。

 同教授は「太極拳群では,特にバランス機能を使うことに優れていた。わずか6週間で著しい改善が見られたことになる。体重を移動する能力は非常に重要で,手を伸ばすあらゆる動作において必要となる」と述べている。

 太極拳を学ぶことは容易ではないが,訓練されたインストラクターから学べば,ほとんどの人が習得できるようになるという。朝,集団で太極拳の練習をしている中国人は多い。同教授は,米国人などの西欧諸国の人も中国人と同様に練習することで習得が可能だとし,「練習の場としては,欧米諸国でよく見られるコミュニティーセンター,YWCA,YMCA,また,夏の公園などが活用できるだろう」と述べている。

 同教授らによると,太極拳は体力増強,心機能や健康状態の改善などに効果的であるという。また,グループで行うクラスに参加すれば,孤立した高齢者に健康的な社交の場を提供する役割も果たす。そのうえ,理学療法やパーソナルトレーニングに比べてわずかな費用ですむという利点もある。
[Medical Tribune 2009年6月25日(VOL.42 NO.26) p.05]


今回紹介された研究報告では、脳卒中既往者のバランス機能向上に、太極拳が有効とのことですが、 脳卒中既往者に限らず、体力増強、心機能や健康状態の改善などに効果的であるようです。
年代、性別問わず、当院にも太極拳をやられている方は当院にも多く来院されていますが、太極拳をやるようになってから、体力がついたとみなさん仰られます。
体力をつけたいけど、長距離を走ったり、激しくダンスをしたりするのはちょっと苦手…という方には、太極拳という方法も良いかもしれませんね。