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「カイロプラクティックたんぽぽ」院長のブログです
変形性膝関節症に悩む方々は大勢いらっしゃいます。

ビタミンDが、骨の健康に利益をもたらすことが知られていて、

変形性膝関節症または変形性股関節症で血漿ビタミンDレベルが低い患者さんは、

関節軟骨の構造的な変化が進行するリスクが高いことを示唆する疫学データがある一方、

今回の報告によれば、そうした方々に、ビタミンDを2年間投与しても

膝痛や軟骨体積に影響しない(有意な効果は無い)ようです。


変形性膝関節症へのビタミンD投与は膝痛や軟骨体積に影響せず
2年間投与して偽薬と差なし、米国の無作為化試験
大西淳子=医学ジャーナリスト

 変形性膝関節症(膝OA)患者にビタミンDを2年間投与し、血漿中の25-ヒドロキシビタミンDレベルを36ng/mL超に維持するよう用量調整しても、膝痛の重症度や関節軟骨体積の減少の程度に偽薬群との有意差は見られないことが明らかになった。米Tufts Medical CenterのTimothy McAlindon氏らが行った二重盲検の無作為化試験の結果で、論文は、JAMA誌2013年1月9日号に掲載された。

 ビタミンDは骨の健康に利益をもたらすことが知られており、変形性膝関節症または変形性股関節症で血漿ビタミンDレベルが低い患者は、関節軟骨の構造的な変化が進行するリスクが高いことを示唆する疫学データがある。そこで著者らは、ビタミンDサプリメントがOAの症状と軟骨の構造変化に及ぼす影響を調べるために、2年間の二重盲検の無作為化試験を行った。

 Tufts医療センターで、06年3月から09年6月まで、45歳以上の症候性膝OA患者146人を登録した。平均年齢は62.4歳、89人(61%)が女性で、115人(79%)が白人だった。ビタミンDサプリメントを800 IU超接種している患者などは除外した。

 登録患者を無作為にコレカルシフェロール(ビタミンD3、73人)または偽薬(73人)に割り付けた。コレカルシフェロールの開始用量は2000 IU/日とし、血清レベルが36~100ng/mLになるよう調節した。

 主要評価指標は、治療開始から2年後の膝疼痛の重症度(WOMAC疼痛スコアを用いて評価。スコアは0~20、0は疼痛なし。臨床的に意義のある変化は3.94以上)と、軟骨組織の体積の減少(MRIにより測定)とした。2次評価指標は、身体機能(20m歩行に要する時間と、椅子からの起立に要する時間)、膝の機能(WOMAC機能スケールを用いて評価。スコアは0~68、0は障害なし。臨床的に意義のある変化は6.66以上)、関節軟骨の厚さ、関節裂隙幅(X線画像から判定)などに設定。左右の両関節に症状がある患者については、より症状が重い方の膝関節を評価対象にした。

 85%の患者(ビタミンD群88%、偽薬群82%)が試験を完了した。

 ベースラインの膝痛は、ビタミンD群の方が幾分強い傾向が見られた。平均スコアはビタミンD群が6.9(95%信頼区間6.0-7.7)、偽薬群が5.8(5.0-6.6)(P=0.08)。膝の機能もビタミンD群の方が低かった。平均スコアはビタミンD群が22.7(19.8-25.6)、偽薬群が18.5(15.8-21.2)(P=0.04)。

 ベースラインの血漿25-ヒドロキシビタミンD値の平均は、ビタミンD群が22.7ng/mL、偽薬群が21.9ng/mLだった(P=0.62)。24カ月後の時点では、両群ともに25-ヒドロキシビタミンD値が上昇、上昇幅の平均は、ビタミンD群が16.1ng/mL(13.7-18.6)、偽薬群は2.1ng/mL(0.5-3.7)だった(P<0.001)。

 膝痛は両群ともに低下した。スコアの変化の平均はビタミンD群が-2.31(-3.24から-1.38)、偽薬群は-1.46(-2.33から-0.60)で、有意差なし(P=0.17)。軟骨体積は両群ともに減少しており、変化の平均はビタミンD群が-4.30%(-5.48から-3.21%)、偽薬群は-4.25%(-6.12から-2.39%)(P=0.96)だった。

 2次評価指標にも全て有意差は見られなかった。

 有害事象の発生率も同様で、ビタミンD群が64%、偽薬群が63%だった。

 症候性の膝OA患者に対し、血漿中の25-ヒドロキシビタミンD値が36ng/mL超になるようビタミンDサプリメントを2年間投与しても、膝痛の強度や軟骨体積への影響は見られなかった。

 原題は「Effect of Vitamin D Supplementation on Progression of Knee Pain and Cartilage Volume Loss in Patients With Symptomatic Osteoarthritis: A Randomized Controlled Trial」、概要は、JAMA誌のWebサイトで閲覧できる。(1月25日:日経メディカルオンライン)